音楽

2021年10月良かった曲まとめpart.1

最初に

10月も終わる。10月も大物アーティストがこぞって、素晴らしい新曲でバチバチいわしていた、たまらない月だった。

今回選んだ楽曲も個人的に厳選に厳選を重ねた10曲になった。バンドが多めになったかもしれない。

それでは前半5曲をどうぞ!

①黄色/back number


壮大なスケールが胸を打った「水平線」も、

「君がいれば僕に不可能なんか無い」などとクサい歌詞がかえって素敵だった「怪盗」も、

相変わらずback numberの出す曲達は、いつも世の中の中心にいる。

名が売れてきて、バンドが大きくなりどんな歌でも似合うようになった。

しかし、今回の「黄色」のような湿っぽくて、かなしい曲調やテーマのback numberを聴くと、安心感を覚える。

おそらく、今までの彼らのそういった曲が好きなのもあるだろう。「fish」「ハッピーエンド」などの楽曲を想起させられた。

これらの曲を初めて聴いた時の原体験が思い出されるようだ。女性目線の歌詞なのも似ている。なんて切ないのか。

曲が良いのは勿論だが、今回の楽曲では歌詞の言い回しにも耳を奪われる。

特に好きなのが、「ガラスの蓋」という言葉が象徴的に使われている部分。沢山の意味を含んでいて、曲に深みを出している。

壊れやすい点蓋をしたところで中身(強がりの裏の本音)が見えてしまう点など、主人公の心を見事に比喩している。

また、タイトルの「黄色」も最初はなんのこっちゃよく分からなかったが、信号の黄色の事だと気付くのにそう時間はかからなかった。

片想いの状況下で、止まろう(赤)進もう(青)揺れている微妙な感情を「黄色」という言葉に置き換えている。

比喩は伝わってナンボなので、分かりやすさが抜群なこの比喩をタイトルに持ってくるのも実に策士である。

最初のタイトルで「ん?黄色とは?」気持ちを惹き付ける効果もあっていい。まんまとその通りに動いてしまった。

そして、女々しい男性を描くback numberが最強なのは今更触れるまでもないが、強がる女性を描かせても素晴らしい引き出しを持っていると改めて思う。先の曲達もそんな女性の曲だった。

back numberの十八番が遺憾なく発揮された素晴らしいほどに「らしい」曲。

いつもどの曲も「是非聴いてもらいたい」と思いながら全曲紹介しているが、そんな事をしなくても自然と沢山の人に聴かれて、自然と広まっていく曲になるんだろうな。

②BOY/King Gnu

「こんなに分かりやすくポジティブで、ポップなKing Gnuがかつてあっただろうか?」

この曲を聴いた後に、King Gnuを知っている人なら抱くであろう感想だと思う。

ボーカルの常田さんはKing Gnumillennium paradeと2つの顔を持っているが、millennium paradeは常田さんがやりたい事で、King Gnuはより分かりやすくしたものという話はよく見かけるし、納得はする。

しかし、あくまでその二者との比較であり、King Gnuそのものはとてもポップというわけではないし、ましてやダウナーな曲の方が多いイメージだった。決して分かりやすい音楽だとは個人的には思えなかった。

それが今回はどうだろう。ここまで底抜けに明るい曲調にいい意味で面食らってしまった。MVも含めて非常に暖かさを感じる楽曲である。子役の子達が楽曲の暖かみに拍車をかけてていいんだよなぁ。

この「BOY」はアニメ『王様ランキング』のOPというのもあって、原作に寄り添って作られたものだが、このタイアップのおかげで新たなKing Gnuを垣間見れている気がする。

上手くいかない事実を認めながら、それでも進んでいくというストーリーの歌詞も人間臭くていい。(原作とリンクしている部分だと思う)

ただただ、「がんばれ」と歌われる応援ソングよりよっぽどいい。

そして、常田さんの日本語独特のニュアンスを大事にするような言葉選びは相変わらず素敵だと感じる。(「白日」「千両役者」というタイトルを付けるセンスから既に素敵だったよな。)

白鳥を「はくちょう」ではなく「しらとり」と読んでみたり、「泥水飲んで」でも良さそうなのに、「泥濘み(ぬかるみ)飲んで」にしたり。

もっと分かりやすい言葉に置き換えられるのに、あえてその言葉を選んだのだろうと、歌詞に対してのこだわりが感じられて好きだ。そんな表現が個性としてしっかり表れている。

今までと違うKing Gnuであるのは間違いないが、このような変化なら好意的に受け止める人も多いのではないだろうか。

King Gnuの聴く人の層を更に広げる事になりそう。何なら子供が歌っても素敵な歌じゃないかとすら思う。ほら、MステでもチビKing Gnuいたし(笑)

いろんな年代に刺さってほしい、この曲。そして皆で平和な気持ちになりたいものだ。

③DIARY KEY/Base Ball Bear

爽快感青春感。これまでのBase Ball Bearを語る上で避ける事は出来ないキーワードだと思っているのだが、それが今回の新曲には大いにに盛り込まれているように感じた。

爽快感はサビ前のバスドラムの四つ打ちがポイントになっている。ライブで聴いたらクラップしたくなるリズムのアイツだ。王道だが、やはりこのリズムから得られる胸の高鳴りは格別だと再認識させられる。

サビの弾けっぷりが気持ちいい程の爽快感を演出してくれる。さながら柑橘系の炭酸を飲んでいるかのよう。(彼らの曲中に登場するレモンに完全に引っ張られているな。)

もう一方の青春感は歌詞の内容。悩みや辛い事で壁にぶつかっている様子だったり、若々しい恋愛の気持ちだったりが、Base Ball Bearの歌詞では特徴的だった。

この曲では前者にあたる、壁にぶつかってもそれでも前に進む様子に青春を感じるのだが、よく歌詞を読んでみると、今までより壁に若さを感じる事は少なく、どの年代でも当てはまりそうな「壁」に思えたのだ。

彼らの今までの曲中に登場した若者が成長して大人になり、また新たな壁にぶつかっているようにも聞こえる。

悩む事は何も青春時代の話だけではないよなぁ。

そのため、先に話した爽快感のあるサウンドに若さや青さを感じて、歌詞にも青春を感じたのかもしれない。

しかし、生きていれば一生悩むのだろうから、自分達は一生青春なのかなぁと青臭い事もこの曲を聴きながら思った。

最後の歌詞に「To alive by your side(あなたのそばで生きる)」という一節があるが、これも効いている。1人ではなく、誰かが傍らにいて生きる事の尊さを感じる。

この曲に限らずだが、Base Ball Bearはいつ聴いても私達を青春時代にタイムスリップさせてくれる。30代近辺の人達で彼らを通った人なら特に分かってくれるはず(笑)

モヤモヤする世の中だが、この曲の力を借りて、爽やかな青春を感じてはいかがだろうか。

④ブレイクアウト・ジャンキーブルースメン/Suspended 4th

サスフォーの新曲は、彼らそれぞれの個性ある演奏がここぞとばかりに炸裂した、無骨にかっこいい音を鳴らす事に専心している曲だと感じる。

もう既に最初の出で立ち最初の音からかっこいい。バンドならではのかっこよさの理想を具現化したようなバンドだよなぁ。

イントロのリフがとても好みである。

このフレーズだけで、歌わずにセッションしたとしても聴けてしまうであろうほど、とても派手なリフである。

また違うパートでは細かい遊びがあるのも聴いていて楽しい。

個人的に好きなのは、2番のサビの入り方。直前のギターがいい味を出している。焦らしてサビに入る事でサビが余計に爆発している。それは終盤のサビでも同じ事が言えるのだが。

演奏ぶりが画になるメンツなので、MVも演奏している様子で既に十分過ぎる。4分割でメンバーを写しているところなんか、特にテンションが上がってしまう。

観ても聴いても、どこからでもかっこよさにに隙がない。一瞬でも見逃せないし、聞き逃せないほどの素晴らしい楽曲だと思う。

もっと語彙力高く紹介したいが、かっこよすぎて、「かっこいい」以外の言葉が思いつかないくらいだ。反省。

雑じり気のない、純粋なロックを味わってみてはいかがだろうか。歌詞に出てくるジャックダニエルより酔えるかもしれない。

⑤ラビリンス/ORANGE RANGE

ORANGE RANGEの新曲は、テレビアニメ『MUTEKING THE Dancing HERO』のOPになっていて、ダンスがテーマのアニメのために書いた曲だそうだ。速いダンスミュージックというよりは、体を軽く揺らしながら聴きたくなる、そんな曲調。

ORANGE RANGEはバンドという体は成しているが、サウンドに関してはいい意味でバンドっぽくない音も躊躇いなく出している印象がある。

今回の曲もなかなか耳にしないような電子的な音色も多く使っていたり、ボーカルにエフェクトをかけたりしている。ベースも不思議な所で目立たせている。

まだ触れようと思えば触れられるくらいアレンジに大分クセがある。「そこでその楽器の音を立てるのか?」と思う箇所もいくつもある。

アレンジだけでもだいぶ個性的なのに、符割りも独特で、不思議なメロディがクセになる。1回聴いただけでは掴みきれないメロディだった。

決して覚えやすくて分かりやすい曲調ではないはずなのに、気付いたら何回も繰り返して聴いてしまう。中毒性か、これが。

どこからこの音楽的フォーマットが思い付くのだろうとすら思う。

彼らが世に出てきた当初は、「チャラい兄ちゃん達がバンドサウンドで陽キャな歌を歌っているなぁ」という印象であまり好き好んで聴いていなかった。

そこから15年以上経ったが、ここまで探求心を持って新しい音楽を次々発表するアーティストになるとは思ってもいなかった。

とは言いながらも、バンドサウンド寄りではない曲調のORANGE RANGEも中毒性の高い曲は多いし、わりかし個人的に好きな曲も多い。ベタだが、「DANCE2」とか「SUSHI食べたい」とか一時期狂ったように聴いていた覚えがある。

こんなものはまだ彼らの一端なのかもと思わせてくれる曲だ。まだまだ不思議で、新しいものを届けてくれそうな予感がする。

この曲キッカケで、もっとクセのあるORANGE RANGEが聴きたくなってきた。

最後に

前半5曲は、全てバンドの曲になった。そもそもバンドの楽曲のリリースも多かった月のような気もするが。そして、「バンド」の概念も形態も多種多様になったのも実感する。

後半5曲もバンドが多くなりそうな予感だ。それではまた次の記事で。

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