音楽

34歳男性が作る秋のプレイリスト

最初に

11月ともうすぐ秋も終わるのに、

「秋のプレイリストってお前(笑)」

って思ったそこのあなた!

そうです!その通り。本当はもっと早く書き上げたかった!この記事!(笑)

なんなら地域によっては11月は冬だという所もあるだろう。

まぁ残り少ない秋を惜しむ為のプレイリストという事で勘弁してもらいたい。(物は言い様)

秋の曲は総じてしっとりした質感のものが多いので、非常に穏やかなリストになりそうだったので、ダレないように所々にアップテンポの曲を入れるなど、曲順同様に工夫を凝らしてみたつもり。

今回も春と夏の時と同じく13曲のプレイリストを作り、その中から4曲ほど個人的に紹介したいという記事である。

秋の気候とは裏腹に暖かい目で読んでいただけたら!

プレイリスト

晩秋/ガガガSP

秋の終わりを表す「晩秋」という言葉を聞く事がめっきり少なくなった。残暑が長くなり、秋が短くなったのもあるのか、秋が終わる感覚は昔より薄くなった気がする。

ただでも感傷的な気持ちになる秋を更にセンチメンタルにさせる晩秋。

しかし、この曲はそんな晩秋の雰囲気とは真逆のテンションで展開されている、とてもパンクな曲だ。

そして、秋の曲でここまで荒れ狂って(ほめてますよ)いるのも貴重なので、発表されて15年以上経つが、ずっと印象に残っている。

未練たらしい心を「死ぬまで生きてやる」と意気込んでやる事で、半ば勢いで忘れようとしているところがとてもパンクである。

「雨でも降れば流れて消えるだろうと 酒でも飲んで雨降り待てば よく考えたら雨が降った時の君との思い出、思い出すだけだ」

この一節もお気に入り。荒々しいパンクに、景色が浮かぶような叙情的な詩を載せるギャップがたまらない。

曲調に秋っぽさは感じないが、歌詞に秋の物悲しさをそこはかとなく散りばめているのがいい。

めちゃめちゃ切ないのではなく、そこはかとないのがいい。切なさの濃度が丁度いい。

激しさの中に秋っぽさを絶妙なバランスで盛り込んだ名曲だと思っている。

あと、完全に余談だが、「晩秋」ってタイトルなのにあえてプレイリストのトップバッターに据えてみたのも我ながら個性が出た曲順だと思っている(笑)このプレイリストの肝になる曲である。なんせ1番だし。

interstate 46/MONOEYES

プレイリストには同じアーティストはあまり入れないようにしたいのが本音だが、今回のリストにはELLEGARDEN2曲とMONOEYES1曲と、細美さん関連を3曲も入れてしまった(笑)

しかし、それほどに細美さんの描く秋が好きなのだろう。どこか切なさのある歌詞がこの3曲に共通している気がする。そして、「夏の終わり」で秋を連想させるのが抜群にうまい。

今回紹介するこの曲も直接、秋を連想する言葉は無いのに、秋を思い起こさせる不思議な曲。

強いて挙げるなら…

「This summer is almost gone(この夏ももうすぐ終わり)」

という一節で連想されるだろうか。

しかし、これも夏が終わるという言葉で、こちらが勝手に秋を連想しているだけだ。

「もうすぐ終わり」なのでまだ夏は終わっていない状況ともいえるのに。

秋という季節の機微を感じられるのは日本の特徴といえるが、それを英語で表現してしまうのが、改めてどえらい事だと感じる。英語なのに、微妙な心の揺らぎが伝わってくる。

それは前述したエルレの2曲でもそうなのだけど。

そして、MVに度々移る綺麗な夕焼けもとても印象的で、このオレンジ色も夏よりも秋をイメージさせられる一因なのかもしれない。

MVの景色も相まって、感傷的な気持ちが昂ってくる。曲の持っている特徴を更に引き出してくれるいい映像だよなぁ。

秋を連想するのは私だけかもしれないが、それを抜きにしても是非聴いてみてほしい1曲だったので取り上げてみた。

赤黄色の金木犀/フジファブリック

フジファブリックには「若者のすべて」という不朽の名作があるが、あの曲の季節感は晩夏とも、とも取れる曲だ。

一方、この「赤黄色の金木犀」は、秋以外考えられないほど、秋にピッタリ。一発で秋をイメージするタイトルがまず秀逸。

オレンジ色「赤黄色」と表現する辺りも秋をすぐに連想できるポイントなのかもしれない。

なんなら、オレンジ色より秋っぽい。

自分達は色で季節を感じられるのを再認識させられる。

そして、イントロのギターのアルペジオから切なさが溢れている。

切ない曲だというのがもう既に分かるようである。邦楽の名イントロの1つだと個人的には思う。

この切なさ全開の導入に対して、歌詞は案外フラット。

というか状況説明のような文章で、淡々としている印象すら私は受ける。日記のよう。

「冷夏が続いたせいか時が進むのが早い」
「無駄に胸が騒いでしまう帰り道」

という主人公の心情と、

「歩くスピードを上げた」
「地面に映った影が伸びて」

など景色や状況の描写を表している2つの表現がある。

主人公の心情がわりかし淡々と描かれているのが、こちらの想像に余白を与えてくれるし、状況描写があることで、頭の中で映像が浮かびやすくなる。

それぞれ違えど、自分の想像で更に深みが出る。そんな曲だと思う。

物悲しくもあるが、秋という季節の良さも感じられる曲ではないだろうか。

created by Rinker
ユニバーサル ミュージック (e)

沈んだ塔/THE PINBALLS

先日、活動休止を発表したTHE PINBALLS。私がとても好きなバンドの1つ。好き故に贔屓目にはなってしまうが、素敵な曲があるので最後に紹介したい。

これもMONOEYESと同じく個人的に秋だと勝手に思っているシリーズなのだが、曲を聴いてイメージする風景が自分の中で秋以外思い浮かばない!

PINBALLSは、もともと言葉だけで風景を想像させるのに長けたバンドで、この曲はそんなバンドの特徴を特に表している。

この曲では「赤や黄色の雲」という歌詞に秋を感じる。
きっとさっきのフジファブリックと同じ。赤や黄色と聞いたら自然と秋をイメージしてしまう。

また、「目が覚める」「夢」「眠る」など睡眠に関する言葉が並ぶのも秋っぽい。秋は夜が長くなって睡眠時間も伸びるという話も聞いた事がある。

ちなみにこのタイトルを英語で表現すると、
「A Tower’s Dream」となり、「塔の夢」と訳せる。

「沈む」という言葉を眠るとか夢とかそういった睡眠と同意義に扱うところに詩人を感じる。

言葉だけでも秋を感じられるのに、更にメロディやアレンジが切ないせいで、余計に秋っぽい愁いが割り増しだ。

PINBALLSのファンの中でも人気の楽曲ではないだろうか。

今まで彼らを知らなかった方にも聴いてもらいたい、知る人ぞ知る、隠れた秋の名曲だと思う。

created by Rinker
No Big Deal Records

created by Rinker
コロムビアミュージックエンタテインメント

最後に

秋は、物悲しさや感情の揺らぎを感じる独特な季節。それ故に、歌詞(言葉)にもどこか悲しくて、切ないものが多い。

曲調はそれぞれ違うが、えもいわれぬ切なさをはらんでいるのが秋の楽曲らしいのだと自分の中で無意識に線引きをしているのかもしれない。

切なければ切ないほど、秋の楽曲はいい。そんな楽曲が好きな私にとって、秋はたまらない季節なのだというのを改めて実感した。

今回は秋のプレイリスト特集だった。冬ももうすぐなので急いで作らないとな。今度は冬に乗り遅れないようにしよう(笑)