音楽

2021年11月良かった曲まとめpart.2

 

最初に

前回の11月の良かった曲の前半は、5曲中4曲がソロという、ソロアーティスト祭りになったが、残りの後半5曲はどうなのか?それでは後半へどうぞ!

⑥Small world/BUMP OF CHICKEN

バンプの新曲は『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の主題歌になっている。

自分以外の「誰か」に寄り添い、優しくある様子が描かれたとても心暖まる曲。

なかなか器用に生きられず、心の闇を隠しながら生きている人も多いと思う。そんな人達を「大丈夫」と肯定して包み込んでくれるよう。

タイアップ先の「すみッコぐらし」も様々な事情を抱えた動物(それ以外も)たちが、すみっこでお互い寄り添いながら暮らすという設定があるので、それにピッタリな世界観だと感じる。

ただ、タイアップありきの曲ではあるのだろうが、今までもバンプは不器用な人達に向けての曲を多く発表してきた。それの延長線上にある曲ともいえる。

タイアップだが、タイアップっぽくないバンプのバンプらしい曲でもあるのではないだろうか。

そして、何気ない歌詞の言い回しに感動するのも、彼らの曲の楽しみ方の一つ。

「関係ないものでも、それを共有して笑った時だけは僕らのものになる」

サビでこのようなくだりがあるのだが、この視点がとてもいいなぁと個人的にお気に入り。

言っている事は当たり前なのだが、これを言語化して尚且つ、歌詞に見合う表現にしているのがすごいなと。

万人が思いつきそうな事ではあっても、なかなか言葉が思い付かないというか。思い付いたとしても、理解されにくい表現になってしまいそうなものだ。

しかし、この表現なら理解できるし、画が想像できる。

歌詞だけ読んでも楽しめる良さがあるのも、相変わらずバンプらしいなと思う。さっきの「タイアップっぽくないバンプのバンプらしい曲」につながってくる。

タイアップっぽくないとは言いながらも、映画と合わせてチェックしてみたくなった。映画だとどのように聞こえてくるのか、また感じ方が変わってきそう。

⑦ナミダ、あわ雪/虹のコンキスタドール

どこか懐かしいイントロから冬の香りを感じる。

このイントロに惹かれて、初めて虹のコンキスタドールを聴くきっかけになった。

イントロも含め、90年代の色が見える曲展開が個人的な嗜好や昔好きだった音楽を思い出す。

メロはポップでかわいらしく導入として入りやすく、サビで急にマイナーで、シリアスになる展開。王道ながら、ギャップにやられる。

時代が時代なら、JRのスキーのキャンペーンソングで流れていてもおかしくないメロディだなと思った。

と言ってたら、しっかりスポーツウェアのセールのCMのタイアップが付いていたが(笑)

歌詞にも「スノーボード」などもあるし、意図して冬を連想させる曲を作ったのだろう。(タイアップが先に決まったのかも)

ここまでコテコテの「冬満載!」な曲に最近出会えていなかったので、懐かしさもありながら、新鮮な気持ちで聴ける側面もある。

儚く消えた恋愛を、すぐに溶けてしまう淡雪に例える歌詞も、ベタだが、分かりやすくてそれはそれで良い。

アイドルが歌う楽曲は分かりやすい方がいいと個人的には思う。

今年もいくつも発表されるであろう冬ソング。それの先駆けになりそうな曲だ。

ここまで徹底して作られた冬の歌はそうそう出てこないだろうな。

⑧仏だけ徒歩/東京事変

ベストアルバム『総合』12/22にリリースする東京事変。そのアルバムに収録される2曲の新曲のうちのひとつがこれ。

本当にこのグループの「節(ぶし)」が炸裂している。サウンド面ももちろんそうなのだが、歌詞にそれを一際感じる。

今回は「氷河期世代」がテーマなのだろうか。

実際に歌っている二人(椎名林檎さんと浮雲さん)が氷河期世代に当たるのも偶然ではない気がする。同世代の背中を押す応援歌にも聴こえる。

それ故か、随所に世代を感じさせる歌詞が見られるのも面白い。

「ゆとり/さとり/ばぶり」

という一節なんて、語感を良くするために、バブル世代に「ばぶり」という造語をあてがって、他の2つの世代に合わせている。言葉遊びだ。楽しい。

あとは、タイトルにもある通り、やら、寺の名前の応酬やら、涅槃ニルヴァーナローパドーサモーハ…。仏教関連の言葉たちも印象的である。

それぞれの意味を調べてから、改めて歌詞を読むと解釈が深まり、また何回でも聴きたくなる。

そして、MVにも圧倒的な東京事変の個性が溢れていて、観ても尚、華があるし、映えるメンバーだよな。

逞しくと歌っている部分で、二の腕を触っていたり、「自作自演」の歌詞の部分で、タイプライターで「THE END」と打っていたり、映像ならではの芸の細かさも楽しめるのもいい。映像にもこだわりを感じる。

最後の半音上がるサビは音源でもテンションが上がるが、これはMVで観てもなお良い。

統一されたキメキメの衣装で、シンプルにバンド演奏するシーンが、めちゃくちゃ画になる!

それまでがメンバーの自由(そうに見える)なソロカットが多かったせいか、余計にキマってて、かっこよく見えるんだよなぁ。

この独特な音楽性と出で立ちに魅せられた人が数多くいる事に改めて納得させられる。

ただ、涅槃像のポーズをとってみたり(「涅槃」の意味参照)、先の「THE END」のくだりだったり、オールタイムベストやMV集を改まって出したり…。

「また活動が止まってしまうのか」

と胸騒ぎもしてしまう。

杞憂で終わってほしい。

こんなかっこいいのを聴かされたら、もっと新しいのを聴きたくなるのだから。

⑨黄昏にアンコール/和田アキ子

先日発表した「YONA YONA DANCE」が話題になり、新しい側面を見せた感じがある和田アキ子さん。

その記事も合わせて読んでもらえたら嬉しい。

和田アキ子の新曲にザワついた秋のはじまり。

例の「YONA YONA DANCE」と同じアルバムに収録される曲のひとつが今回の「黄昏にアンコール」である。

この曲は作詞がNONA REEVES西寺郷太さん、作曲はさかいゆうさん。そして、MVは鉄拳さんのパラパラ漫画という磐石の布陣!

「YONA YONA DANCE」がいい意味で和田アキ子っぽくなかったが、今回はいかにも和田アキ子が歌いそうな曲、彼女の中の王道に聞こえるのではないだろうか。

和田さんの曲に「もう一度ふたりで歌いたい」があるが、それに近い気がした。「あなたのために歌う」というフレーズにオマージュを感じる。

歌詞やMVのストーリーから考えると、夫婦で過ごして来た長い日々をコンサートに喩えたというところだろうか。スケールの大きさも伺い知る事ができる。

今までもスケールの大きな楽曲を和田さんが歌ってきたからこそ映える一曲になっている。

歌詞も普遍的な事なので誰もが分かりやすく聴けるし、アレンジも分かりやすく「いい曲」のソレである。

欲をいえば、もっと長く聴きたかったなというのはある。3分そこらで終わるには惜しいとすら思えてしまう。もっと長い曲にしても格好がつくし、ダレずに聴けるのではないだろうか。

紅白で歌ったら感動しそうな曲だという印象も個人的には受けた。振り返る感じが年末の紅白と何となくマッチする。

今年は選ばれなかった和田さんだが、今の精力的な活動が認められて、また紅白で観てみたい。

そう思うほどの曲だった。

⑩ハローマリーナ/稲葉曇

ボカロPである稲葉曇さんの新曲。

個人的にVOCALOIDは、初音ミクなどの機械的な歌声があまり得意ではないので、歌い手の方が歌ったもので聴く方が好みだった。

しかし、この曲に関してはVOCALOIDの無機質な声が合っている気がして、珍しく抵抗なく聴けた。

冬の寒さを思わせる世界観が、無機質で無感情な冷たい歌声と合っていたのかもしれない。

そして、小気味のいいリズムスタッカート多めの不思議なメロディが何ともクセになる。

あとはベースがメロディの如く動き回るのもいい。

ずっとベースが動きまくるのかと思えば、全くベースが聞こえないパートもあり、静と動の両方が楽しめる。そのバランスもいい塩梅だ。

この両極端なベースラインが、この曲でいかにベースが効いているかを物語っているような気がする。

今年も「ヴァンパイア」「エンヴィーベイビー」など様々なボカロ曲がその界隈で流行ってきたが、これもいろんな人のカバーや歌ってみたを聴いてみたい曲だ。

私自身のわがままを言うならば、柴咲コウさんに歌ってほしい。彼女の楽曲にもこういったテンポや無機質なテンションの曲もあるので、ハマりそうだ。

昔、ボカロPのDECO*27さんが作った楽曲もハマっていたし。

何の気なしに聴いていると、ふとした音楽の出会いがあるからサブスクは面白い。ボカロも普段はあまり能動的に聴くジャンルではないが、選り好みせずいろいろ聴いてみるものだなと改めて思った

最後に

後半の5曲は冬の曲がちらほら出てきたのが印象的だった。

これから年末にかけて、更には冬が深まる来年以降にはどんな曲が今シーズンの冬を彩るのか楽しみだ。

プレイリストはこんな感じで。

さて、いよいよ12月になって2021年の締めくくり。今年の良かった曲まとめのラストになるが、早くも候補曲がぞろぞろ出始めている。早くも激戦の予感がする。嬉しいような、大変なような…(笑)

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音楽についてをゆるくつぶやくだけだが、それでも良ければ…@numacchinooto

それでは次の更新まで!