音楽

2021年12月良かった曲まとめpart.1

最初に

さて2021年の締めの月となった。月始めから個人的に強力なタイトルが立て続けにあったので、わりかしすぐに決まった10曲になった。こんなにすんなり選べたのは初めてかもしれない。

それでは例のごとく前半5曲の紹介!

①一閃/sumika

先月の良かった曲でも紹介したsumika!その時に紹介した「Babel」も収録されているEP「SOUND VILLAGE」が12/1に発売された。

今回は収録する4曲全てにMVがあるという力の入りようだが、その中でも気に入ったのがこの「一閃」だ。

「名は体を表す」ではないが、3分足らずで、sumikaの長所がピカッと光って、スパッと終わる曲である。潔さがまず気持ちいい。

そして曲の内容がバンドの葛藤や苦しみも含めたノンフィクションといった感じで、嘘偽りのない言葉で曲の魅力がグッと増す。

世のバンドはこういう事を思いながら活動しているのかなぁ。

他のバンドを嫉妬しながらももっと大きい所でやりたいとか思うのかなぁ。

sumikaだけではなく、世のバンドのドキュメントのような曲である。

その曲中に「メンバーもスタッフも引き連れて」なんて、人との繋がりを大切にしてきた彼ららしいワードがあるのにもニヤリとする。

どのバンドも思ってはいる事だろうが、歌詞に入れて許される、しっくりくるのがsumikaならでは。

更に、この曲はギターボーカルの片岡さんとキーボードの小川さんのツインボーカルということで、掛け合いも聞き所のひとつになっている。「上がろう駆けよう」の間髪なく掛け合う所は爽快感すら味わえる。

3分でここまで良さをぎゅっと凝縮して、お届けしているのだから満足しないわけがない。

「SOUND VILLAGE」のそれぞれキャラクターの異なる4曲を全部聴くと、この「一閃」が持つ良さもsumikaっぽさの1つである事がよく分かる。

これは「一閃」単体で聴くよりも、是非収録曲すべて聴き比べて、違いを楽しんでほしい!そして、4曲の中から自分のお気に入りを探してみるのも楽しいかも。

②希望を鳴らせ/THE BACK HORN


THE BACK HORNが久しぶりの新曲を届けてくれた。実に1年ぶりか。待ってた!(笑)

生きるだとか死ぬだとかを歌わせたらTHE BACK HORNの右に出るものはいないのではないかと思うほど、彼らは命について歌ってきた曲が沢山ある。

今回も生きるための推進力をとてつもなく感じる曲で、「これぞTHE BACK HORN!」と改めて思わせてくれる。

メロでは暗くて苦しい様子が描かれているが、サビの「希望を鳴らせ」という強い言葉に、それでも前へ進んでいこうとするパワーを感じる。

ボーカルの山田さんの魂を削るように全力を注ぐ歌い方にも、更にパワーを感じてグッときてしまう。

全体的に歌謡曲っぽいドラマチックな展開なのも彼ららしくていいんだよなぁ。彼らの曲で「声」というのがあるのだが、それに通ずるドラマチックさがある。

Cメロで少しテンション落として、サビでまた盛り上げるというのは分かっていても滾るものがある。自分はこういうのが好きなんだなと再確認する。

そして、言葉が刺さりまくる歌詞もたまらなくいい。

「抗わなけりゃ 生きてる意味なんか無い」

「四の五の言わねぇ 諦めなど知らねぇ」

「俺はまだ生きてる 終わらない希望を鳴らせ」

真っ直ぐな言葉ってこんなに出てくるものか?

字面で読むと薄っぺらいかもしれないが、音楽として聴くとむしろ重くずっしりと響く言葉になる。

きっと、本心でそう思っているから出てくる言葉で、嘘偽りが無いからこそ、説得力が増して聞こえるのだろう。

歌詞については、

「絶望の果て 歌が生まれ来る 「前を向け」と音が鳴り響く」

というフレーズもとても気に入っている。

音に乗る際の語感もとてもいいし、絶望から歌が生まれるというフレーズも、彼らの今までの作品を思い起こさせるから好きなのだ。

この曲そのものがこんなご時世だからこそ、生まれたものなのかもしれない。

暗くなりがちになってしまう事も多いが、この曲を聴いて、12月でもあるし、悩みや辛さも大掃除してしまおう!

③美しき世界/I Don’t Like Mondays.

再生ボタンを押してすぐ「おっ!」と一瞬で気を引かれるメロディでぶん殴ってくれたのはI Don’t Like Mondays.の新曲。

聴いた瞬間から「これは絶対サビだ」と分かるくらいの歌い出し。

1度聴いただけで覚えられそうなくらいパンチが強いメロディ。更に何度も出てくるので、どうしたって頭に残る。要は好みなメロディラインだという事だ(笑)

その個人的大好物のサビを迎える前のBメロも良い。「これからサビがくるぞ」と分かりやすくガイドしてくれている気がする。

「ここはまるで狂気的なダンスホールさ」の部分でリズムを変えて「おっ、いよいよサビかな」と感覚的に分かる。Bメロとしての役割を果たしていると思う。仕事できるタイプのBメロ。

かと思えば、2番はサビにはすぐ入らずに焦らされる。またあのメロディを渇望する自分がいる(笑)

そして、ギターソロを挟み、1度、転調したサビから元のキーのサビに戻り大団円と。

サビがいいメロディだから、どんな展開でも何でもござれだ。

この文章で何回「サビ」って言っているんだろう?(笑)

それくらいサビのメロディが好き過ぎて、気付いたらそのメロディに心掴まれ、踊らされていた。

歌詞も一見するとチャラかったりスカしていたりする印象もあるが、結局は人生という大きいテーマを歌っている骨がある曲だと感じる。

泣いても笑っても、つまずいても転んでも進む人生を「美しき世界」と形容するのも素敵なセンスで私は好きだ。

気に入ったポイントが多過ぎてキリがないくらい。

名前は知っていたが、曲そのものに触れてこなかったので、この曲との出会いをいいキッカケにして、どんどんアイドラ(って略すんですか?)を知っていきたいと思う。

④一途/King Gnu

映画『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌になっているこの曲。

大人気アニメと大人気バンドのタッグというので、曲の発表前から相当な話題になっていた。

それ故にハードルも相当上がっていただろうが、そのハードルを飛び越えていったのではないだろうか。しかも余裕で。

乾いたようなギターのカッティング機械かと思うほど正確な細かいリズムのドラムが全編通して印象的。細かなリズムのせいで、イントロから体が自然と揺れてしまう。

いろんな人も既に話しているが、細かなリズムと印象的なギターのカッティングのフレーズという事で、Arctic Monkeys「Brianstorm」を私も思い出した。オマージュなのかなぁ。

あとは、常田さんと井口さんのはっきりとした声色の違いは、King GnuをKing Gnuたらしめている所以だと改めて思った。

この2色のコントラストを楽しみたいから彼らの曲を聴いているところが少なからずある。

また、先月の良かった曲でも紹介した前のシングル、「BOY」でも書いたが、日本語の表現をとても大切にしているのはこの曲にも共通していると感じた。

サウンドは洋楽っぽいアプローチなのに、歌詞(言葉)は日本語強めなのが、これまたKing Gnuの成せる芸当なんだよな。

歌詞といえば、過去の楽曲を思わせるフレーズを持ってきている一節が見受けられる。それを見つけるのも楽しかった。

とにかく、どこを切り取ってもKing Gnuのクールさ、らしさが健在の曲だった。

前回の「BOY」が「っぽくなかった」からその反動で、よりそう聞こえたのかもしれない。

King Gnuの出す曲から、毎度驚きとワクワクをもらえて、全く楽しくて仕方がないったらありゃしない。

⑤Dance Inspire/アルカラ

THE BACK HORNもそうだったが、アルカラも久しぶりの新曲のような気がする。調べてみたら、音源としては2019年のアルバム「NEW NEW NEW」以来なので、2年ぶりの音源とのこと。

そして、結成20周年が始まるという事もあり、スタートの華々しさもあり、原点回帰ともいえるほどアルカラ節全開になっている。(はじめ、タイトルが英語で珍しいと思っていたのだが、聴いてみるといつものアルカラで何だか安心した)

アルカラ節とは何かと改めて考えると、摩訶不思議なギターのリフと、おもちゃ箱をひっくり返したような、様々なリズムと音色が思い浮かぶ。

今回の曲がまさにそれのオンパレードで、自分たちの武器をしっかり分かったうえで、今まで戦ってきたのだというのが分かる。20年戦士は伊達ではない。

特に、ドラムをはじめとする跳ねるようなリズムが最高!自然と体がノってくる。

しかし、叩きっぱなしではなく、手拍子があるところではドラムは手拍子を立たせるように引いている部分もあり、バンドとしての音の手綱をしっかり握ってコントロールしている。

様々なリズムもあって、ドラム未経験だが、難しそうなリズムなのかなと思う。ドラム経験者の方はどう思うのだろう?

他にも印象的な音色が数多くあるので、それぞれのパートに耳を凝らして聴いてみるのも一興かも!

20周年開幕からしっかりとらしさをみせつけてくれたアルカラ。おそらくアニバーサリーイヤーという事で精力的に活動してくれると思うので、今後にも目が離せない。年明けからも楽しみだ。

最後に

先にも書いたが、12月前半で個人的に沢山のビッグリリースが続いたので、ほとんどがその時期の曲になってしまった(笑)

決して、年間ランキングに間に合わせるために選んでいるわけではない、たまたま(笑)

男性バンドが全てを占める感じになったのは何の偶然だろうか。今回、この5曲は特にすぐ決まった印象がある。

残り5曲を発表して、しっかり10曲×12ヶ月分から、2021年の年間ランキングを作りたいと思う。

こちらは発表は年明けになると思うが、読んでくれる方がいらっしゃるのならありがたい話。

それでは次の後半5曲でまた!

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