音楽

2021年12月良かった曲まとめpart.2

最初に

前回の記事の続きで、12月の良かった曲紹介の後半戦!これで2021年に選んできた10曲×12ヶ月=120曲が出揃う。我ながらよく選んだ!(笑)

という前置きはこれくらいにしておいて、後半戦5曲スタート!

⑥ブーツを鳴らして/SHISHAMO

4曲入りEPの表題曲として発表されたこの楽曲。

他の収録曲は既に配信されていたので、満を持して最後に発表されたわけだが、個人的には収録曲の中で1番好きだった。

これは表題曲にするわ。本人達の自信が見える気がする。季節感も「まさに今!」といった感じで、ドンピシャだし。

内容はかいつまんでいうと、冬に思い出す過去の失恋の話といったところか?

こういったテーマの曲は数多あるので、埋もれず、凡庸にならないようにする為に、個性的な表現をする必要がある。

ブーツを鳴らす(=履き物も気にせず夢中で走る)という表現がまさに唯一無二で、他に聞かない個性的な表現だと感じた。

ブーツなんて走りづらいし、不恰好になるがそんなのお構い無しに走ってでも会いに行きたい人がいる…。

そこまで想像させられる言葉選びがいい、素敵だ。

「ブーツ」に冬も連想できるし、つくづく描写が秀逸!分かりやすい。

というか、「走る」のに焦点を当てる失恋ソングがそもそも新しいのではないかとすら思う。

ガールズバンドという響きはあまり得意ではないが、これは女性だからこそ書ける曲だと感じる。男にはなかなか思いつかない感覚だよなぁ。

曲もアコギが入ってる影響もあるが、弾き語りでも十分映えそうなメロディ。メロディが既に感動的で素晴らしいので、アレンジという肉付けを外しても聴けるものになる気がする。

まぁ今回のアレンジは冬の印象を付ける為には必要不可欠なのだけど。ベルの音って何故あんなに冬を連想するのだろう。

このEPの収録曲全てが冬を連想させるものになっている。コンセプトがあって一貫しているので、まとめて聴くのがいいのかなと思う。また続けて聴いてみたらそれぞれの曲の印象も変わるかもしれない。また改めて聴いてみようと思う。

⑦もしも命を描けたら/YOASOBI

同名の舞台のテーマ曲として発表され、12/1発売のアルバム「THE BOOK2」にも収録されている。このアルバムは既に発表されている曲がほとんどなので、唯一の新曲だったこの曲が楽しみだった。

まずコードを3つしか使ってないというのに驚かされる!パンクロックか。

確かに、よく聴くと同じトラックの繰り返しに聞こえてはくるのだが、メロディはそれを意識させない。同じコード進行が続くなら、メロディも似たものになりやすいだろうに。

このメロディは、コードからすぐインスピレーションできるものではないよなぁ。譜割りが細かいところにYOASOBIっぽさを感じる。この譜割りの細かいメロディってそうそう思いつかないし、そんなところにオリジナリティを感じる。

あとは、リズムも曲を単調に感じさせない要因だと思う。リズムのトラック自体も繰り返しなのだが、このリズムがそもそも聞き慣れないので新鮮味を持って聴けてしまう。

ランバダっぽい。自然とリズムにも耳を持っていかれる。

このリズムも結構な要になっているので、ギター一本で弾き語りをするのはなかなか難しそうだ。

コードも3つなので、ただコードを弾くだけでは単調になってしまうし、再現が難しいだろう。

いや、まず毎度の事ながら素人に歌わせる気のないメロディラインをツッコむべきか。弾きながらなんてもってのほかだ(笑)

先程のSHISHAMOとは真逆な曲かもしれない。アコギ向けではなさそう。

そして、何度も聴いていくうちに、後ろの3つのコードがヒップホップのトラック(繰り返し流れるメロディ)に聞こえてきて、さながらラップのようにも聞こえてくる。ラップっぽい節回しは、「三原色」でも聴いた気がする。(これをラップっぽいというと、有識者の方から怒られそうだが許していただきたい)

しかし、今年だけで9曲(前のアルバムの「アンコール」含む)も発表して、アルバムも2枚発売するという、その生みの速さだけでもすごいのに、どの曲も既に浸透し、親しまれているのがもう恐ろしいくらい。

個人的にも良かった曲にYOASOBIを5曲も選ぶ事になった。(「アンコール」、「怪物」、「もう少しだけ」、「三原色」、「もしも命を描けたら」)

2020年の活躍がたまたまではなかった事を証明する2021年だった。文句なしに今年もYOASOBIの1年だったといっていいだろう。「夜に駆ける」だけでは終わらない良さを見せつけた1年だった。

去年との更なる違いを知るにはこの曲もうってつけだと思う。

⑧フレンヅ/PUNPEE

ヒップホップはからっきし疎い私めでも、名前は知っているくらいの存在だったPUNPEEさん。

今回の「フレンヅ」はイントロからずっと流れ続けるアコギを用いたトラックがすっかり気に入ってしまった。アコギ好きな私ホイホイである。

こんなシンプルなリフでもトラックになるのは面白いよなぁ。ギターをメインにしたトラックならもっとヒップホップを聴けるかもしれないと思った今日この頃。

歌詞はタイトルの通り、旧友に関してのものになっている。

歌詞の中で登場する個人名の方とPUNPEEさんとの関係は存じ上げないが、30をとうに越えた自分にも何となく刺さる歌詞でいろんか意味でしんみりしてしまう(笑)

同窓会をしたらこんな会話になりそうな、そんな曲。妙な親近感が湧く。

こういった日常的なテーマのヒップホップもあるんだなぁと、疎いからこそ得られた発見もあって楽しかった。

もっとヒップホップも聴いていこうと思わせてくれる個人的にありがたい曲。来年からはもっと聴こうっと。

⑨原罪と福音/東京事変

ベストアルバム「総合」に収録されている2曲の新曲のうちの1つ。もう1曲は先月も紹介した「仏だけ徒歩」

「仏だけ徒歩」尖ったサウンドでクールな路線だったが、今回は、通して聞こえるピアノの音色が印象的。壮大で包み込むような優しさを感じる。

まさに、対を成す曲といって差し支えない。2曲新曲を収録する意味があるな、これは。ベクトルが違うのだから。

タイトルにある「原罪」「福音」がキリスト教からくる言葉なのも、もうひとつの「仏だけ徒歩」は仏教がモチーフになっているので、これもまた対になっているのを感じて面白い。

このMVはまだないようだが、メンバーの演奏シーンでの映像を観てみたかったなぁ。荘厳で迫力のあるものになりそうだ。

曲の内容としては、ここまで分かりやすい東京事変は今まであったかなぁと思うほど。(まどろっこしい言い回しは健在ではあるが)

そして、寄り添う暖かさが印象深い。

「どんな良くない事も受け入れ、諸とも抱えて進んでいこう」

という力強くて、普遍的なメッセージは東京事変くらい大きいバンドが歌うとより説得力が増すし、何よりしみる。

こんな分かりやすく「いい曲」を歌う東京事変もたまにはいいなと思う。「たまに」でいいけども(笑)

前回のpart.1で紹介したTHE BACK HORNではないが、鬱蒼とした気持ちも大掃除出来そうな曲だと、この曲も感じる。

この曲を聴いて、気持ちもピカピカにしてもらって、新年を迎えたいものだ。

⑩しろくならない/Cody・Lee(李)

「いい曲かもしれない」期待値がぐんぐん上がっていくようなイントロにまず心を奪われたのはCody・Lee(李)の新曲。

どこか懐かしさを覚えるイントロ。

あとは要所要所で聴こえるアコースティックギターの音色もいい感じ。またもやアコギホイホイ

そして、手紙を書くように歌が始まっていく。しかも男女ツインボーカルなので、1番は男性目線2番は女性目線の歌詞になっているので、2通の手紙を交互に読んでいる感じになる。

男女ボーカルが取れるメンバーのいるバンドの強みを遺憾なく出しているなぁ。

曲のさわりを聴くと、単なる湿っぽい男性側の後悔満載の失恋ソングに思えるのだが、2番の尾崎さん(女声)のパートになると、ただの男女の別れではない事に気付く。

そう、「死別」である。

MVの演出で気付かされたところもあるが、

「写真を見て泣いている人が見える」

という一節で人の死を連想させるのも妙技である。

自分自身は死んで、霊魂として自分の写真を見て泣いている様子が見える」という描写がまだ経験もしていないのに浮かぶ。すげぇ。

ここから高橋さん(男声)のパートは、残された(遺された)側の言葉として、湿っぽいと思われた重みを増していく。

まるで湿った雪に似ている。湿った雪は重いから。

その重みが痛切にさえ聞こえてくる。

その後のラストのサビに向けての「さよなら」以降からはその痛切さに拍車がかかる。

最後はリズムが速くなり、焦燥感にも似た気持ちが表現されてたまらなくなる。

で、ラストは「あなたのことずっと好きでした」と二人で歌って締める。

ハモらずに歌っているのも同じ気持ちだった事が表れていて良いし、「好きでした」と過去形なのもかなしさや切なさが増長されてこれまた良い。

感情が揺さぶられ、さながら歌詞の世界を疑似体験したようだった。

かなしい曲だが、どこか美しい。2021年の年の瀬にまた新しい冬の名曲が誕生したのではないだろうか。

最後に

という事で、12月の10曲を紹介した。例のごとくプレイリストも。

これでようやっと120曲選んだ。今年1年、毎月の好きな曲を紹介してきた。

初めての試みだったので、拙い文章だったと思うが、読んでいただけたり、ここから好きな曲に出会えたり出来たのなら本当に嬉しい。それを励み、やりがいにやっているのだから。

これで2021年の更新はラスト!年明けはヌマッチノオト的2021年年間ランキングからスタートしようと思う。今から急いでまとめる!(笑)

皆さんにとって音楽の裾野を広げられる存在にここがなれるように、もっと面白い記事を書きたいところ。

気持ちも新たにしたところで、来年もよろしくお願いします。

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