最初に
さて、前回の記事に引き続き4月の良かった曲を紹介。残りの5曲だが、こちらもまたバラエティに富んだラインナップになった。
⑥こんど、君と/小田和正
NHKの「みんなのうた」60周年記念の曲という事で、4月のみんなのうたで流れている。
イントロはなく、小田さんだとすぐ分かる第一声から始まる。ずっと変わらない歌声に改めて感嘆する。
私も子どもがいるので、「みんなのうた」は一緒に観る事があるのだが、何も知らずこの一声を聴いた途端、思わず画面に目を奪われてしまった。反射的に聴いてしまうほどの力があったのだ。
歌詞はこのコロナ禍における「うた」についてなのだが、それがまた心に染み入る。
コロナにおいて、飛沫感染になり得る「歌うこと」が今は良くないものとされ、現にライブでは演者は良くても、観客は歌うことはおろか発声すらも許されない状況である。
しかし、そうは言いながらも、皆で好きな歌を歌えるのが楽しい事なのもまた事実で。
皆で大っぴらに歌を歌えなくなって久しくなってしまったが、この歌を聴くと、楽しくライブで合唱していた日々に思いを馳せずにはいられないし、またそんな日が来てほしいという気持ちにさせられる。
「うた」っていいもんだ
というのを端的に、そして合理的に歌った「みんなのうた」の記念を飾るにはもってこいの素晴らしい楽曲だった。
⑦ここで息をして/eill
素性も分からず、歌だけ聴いて「これはいい」と瞬間的に感じた。曲だけを頼りにすると、踊れるタイプの業界経験豊富な実力派アーティストかなと勝手に想像していたら…。
eillさん、22歳のシンガーソングライターですって。
いろいろ凝り固まった固定観念が粉々に砕け散った(笑)いや、でもいい意味でシンガーソングライターっぽくない曲だと思わないだろうか?
まず、歌声が魅力的。少し粘度が高めの歌い方だが、不思議と嫌じゃない。むしろこういった楽曲には合ってるほど。
がなるように歌ったりファルセットを使ったり、1曲の中で様々な歌い方が聴けて楽しい。
サウンド面では、イントロのジャジーなピアノや歌いはじめのベースラインなど魅力的なフレーズがゴロゴロしているが、ホーンが大袈裟なまでにキメのフレーズをいちいち「デーン」とかますところが個人的な1番の好み。
そしてサビの後ろで鳴ってるワウの効いたギターも心地良い。
そして、様々なメロディが楽しめる歌の構成も良いし(Dメロまである気がした)、MVのダンスも見ごたえがある。
普通に踊ってるけどシンガーソングライターなんだよね?
どの角度から切り取っても楽しみどころ満載の楽曲。
⑧閃光/[Alexandros]
新ドラマーの加入が決定し、新体制発表後で初の楽曲。(今までもサポートとして叩いてはいたが)
イントロから加速していき、最後まで衰える事のない疾走感が最高だ。まさに光のごとし。
曲としてもさして難しい事はせず、ギターのリフでひたすら引っ張っている。
シンプルなのがかえって良い。ここ何年かのドロスは手を替え品を替えで、バンドの音以外を足してみたり、打ち込みを使ってみたりと挑戦した楽曲も多々あった。
その流れでシンプルな楽曲がくると、かえって新鮮である。そして原点回帰にも聴こえる。
新しくなった[Alexandros]を本人達もきっと意識しているのだろう。
まさに閃光のように、彼らはこれからも目にも見えない速さで突っ走っていくのだろう。
それでも追いかけたいなと思わせる作品だ。
⑨CRAZY feat.ROY(THE BAWDIES)/TENDOUJI
ニューアルバム『MONSTER』を4/28に発売したTENDOUJI。その1曲目を飾るのがこの曲。
アルバム発売の2週間前に先行配信していたが、
「これは先に聴かせるだろうな」と思わせるほど。
アルバムを聴かせようとする入口にはうってつけの曲ではないだろうか。現にまんまとハマったのがこの私(笑)
THE BAWDIESのボーカルのROYさんがゲストとして参加している。掛け合いがまたかっこいいんだ、これが。
ROYさんの特徴的な歌声を最大限に活かしている。
ただ、楽曲だけ聴くとかっこいいのに、MV観ていい意味で台無しで笑ってしまう。
きもちわりぃ!(笑)
でも、曲のタイトル改めて見直したら納得だった。
「CRAZY」だもんな…。ご丁寧に。
この気持ち悪いMVもありきでの今回の選出な所はある。かっこよさだけでなく、頭をからっぽにして楽しむ感じがこの映像から伝わる。
まさにCRAZYになって楽しみたい曲。ライブで聴いたらもっと楽しいんだろうな。
⑩青い春/Kitri
実の姉妹によるピアノ連弾ボーカルユニットKitri(キトリ)。初めて彼女たちを知ったのだが、ハモりがとても心地いい。しかも、連弾しながら歌うというのも、今までになくて面白い。
そして、調べたら姉妹でやっていらっしゃると。ピックアップすべき特徴が多すぎる(笑)
とは言いつつも、音源で聴いて1番耳に残るのは、やはり二人のコーラスワークである。
そもそも、二人の歌声がソフトなのもあって、主旋律に少し触れるくらいのハーモニーがすごくいい。
ガチガチにハモりが聞こえるアニキと奈々様のような曲も良いが、さりげなくハモるような曲が好みなんだと気づいた。
そしてサビのフレーズが3回出てくるが、全て一言一句変わらないのも特徴か。ここまで繰り返し出てくると、覚えられるし、口ずさむのにも容易いだろう。
MVを観てても高校生たちが歌う映像があるので、歌ってもらいたい意図を感じる。
「さよならより言いたい言葉がある」
というフレーズもなんかいい。おおよそ想像はつくが、曖昧にしている感じが。
「青い春」をとうに過ぎてしまった私でもグッとくる曲だ。まさに今青春時代の方々が聴いたらもっともっと刺さるのではないだろうか。
最後に
というわけで4月の良かった10曲を紹介していった。今月はこういったラインナップ!
①Ghost!?/キタニタツヤ
②本当は夜の端まで、(feat.おおお、くじら)/MAISONdes
③ストロボメモリー/内田真礼
④magical mode/花澤香菜
⑤彼女をまってた/SIX LOUNGE
⑥こんど、君と/小田和正
⑦ここで息をして/eill
⑧閃光/[Alexandros]
⑨CRAZY feat.ROY(THE BAWDIES)/TENDOUJI
⑩青い春/Kitri
そしてSpotifyのプレイリストがこちら
いつも10曲を絞る際に、大枠をざっくり選んでいるのだが普段は14~15曲くらいになる事が多い。しかし4月は22曲ほどになってしまい、半分以上を削る事になり、選ぶのに苦労した。
それほど好きな曲が多い4月だった。今のところ1番の激戦区かなと。
個人的には、SIX LOUNGEとTENDOUJIの良さを発見できたのが収穫だった。興味が湧くアーティストがどんどん増えていくのがたまらなく楽しい。
5月はどんな曲、どんなアーティストに心躍っているのだろう。いつにもまして楽しみでならない。