はじめに
今年の8月は暑い日も多かったが、雨の日も多かった印象だった。涼しい日もあり、なんだか早めに秋が来たような、夏の終わりを一気に感じた月だったように感じる。
それに引っ張られてか、夏の終わり、そして秋を思わせる曲もちらほら発表されて、そのような曲もいくつか選んでいる。
それでは前半5曲の紹介!
①No! No! Satisfaction!/DA PUMP
NHKで放送されているアニメ『魔入りました!入間くん』のオープニングとして4月から放送され、今回初めて音源化になった1曲。
MVもアニメとのコラボで、かわいくデフォルメされたメンバーがキレキレのダンスを披露している。
ジャケットもビデオもアニメに迎合してはいるものの、曲そのものが分かりやすいため、アニメの観ている観てないはそんなに関係ないかなと思う。
単純にDA PUMPの再ブレイクのキッカケになった(と個人的に考えている)
「何も難しい事考えなくて良い、ただただ楽しい楽曲」
の流れを汲んでいるので、頭空っぽにして聴いているうちに楽しくなってくるはず。
普段は歌詞の意味とか言葉遣いとかを気にしながら音楽を聴くが、それも野暮かと思わせるほど。考えたところでよく分からない歌詞だし(笑)
「U.S.A.」や「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル」を聴いた時も同じような事を感じた。そして、「よく分かんないけど楽しい!」と感覚的な楽しさや盛り上がりを感じたのも覚えている。
理屈っぽく聴きたい曲もあれば、衝動的に聴きたい曲もある。今回は圧倒的に後者で、単純に盛り上がりたい、テンションを上げたい時に聴くだろう。暗くなりがちになってしまう昨今、こんな曲でたまには現実逃避もいかがだろうか。
②BE READY/BiSH
売り上げも絶好調のBiSHのアルバム『GOiNG TO DESTRACTiON』だが、アルバム発売日と同時にMVが公開されたこの曲。
このアルバムのリードトラックだと認識しているし、発売直後の音楽番組でもこの曲を披露していた。
曲調や言葉に激しさを持たせつつ、ストリングスのアレンジで優しさをプラスさせる。この2つが絡み合うのがBiSH節を感じさせる。
しかし、メンバー個々の歌声それぞれをしっかりとフォーカスしているところが、これまでと違うと感じた。
今までは歌といえばアイナ・ジ・エンド!な印象が強かったが、アイナさん以外のメンバーの歌声やキャラクターも認知度も相まって、立ってきたので、皆の歌声に耳が向くようになってきた。
そしてBiSHのこの手の楽曲を聴くといつも思わされるのが、気持ちが乗っかった曲の可能性は無限だという事。
歌を歌うにあたって、「ピッチやリズムを外さず」などある程度の技術は勿論必要になってくるが、そこに気持ちや説得力が乗っかってないと、ただのガイドボーカルに成り下がる。
この曲に気持ちや説得力を感じるのは、楽曲の内容がそもそも彼女達の生き様だからだろう。
歌いだしが「半端ないな 重圧がのしかかってる」という歌詞なのだが、ブレイク後の彼女達が抱えるプレッシャーをこの一節から感じた。
その後の歌詞も今まで活動したうえでの苦汁や悔しさを表現しているかのよう。
それを踏まえて、「きっちり見せねばならない 白黒つけてやるから」というサビの歌詞に繋がるのだが、この上ない説得力が生まれている。潔さがまた格好いい。
BiSHの覚悟がはっきりと見えて感動すら覚える。
そりゃこの曲をリードトラックで切るわけだ。アルバムを聴いてもらうための導入として、リードトラックや先行シングルはあるが、まんまとこの曲のせいでアルバムを聴いてしまっている。ちくしょう。アルバムそのものも良い。ちくしょう。
彼女達の今を生き写しにしたような楽曲だと思う。とても素敵だった。本格的にBiSH聴き始めるかもしれない、個人的に。
③夏霞/あたらよ
先月に発表した配信曲「8.8」も話題になっているあたらよ。毎月の良かった10曲に選んではいなかったが、出す曲出す曲、10曲の候補にノミネートしていた。
2ヶ月連続リリースとなった今回の「夏霞」はサビの切なさが好みのポイントだった。サビのメロディが良いので、そのままギターのリフにもなっているのも良い。
単純にお気に入りのメロディを何回も聴けるのはお得な気がして好きなのだ。何ならそのままイントロにしてくれてもいいほど(笑)
でもそれくらい、サビのメロディは強いものだと思う。
そして、普段は女性メンバーのひとみさんがボーカルを取るのだが、リードギターのまーしーさんも主旋律を取る部分も多く、今回はもう男女ツインボーカルといって差し支えないほどの掛け合いを見せている。
今までも少しのパート、もしくはハモりなどと歌っていないわけではなかったが、ここまで歌っていたのは初めてではないだろうか。
デュエットらしい掛け合いも良いし、歌い分けも1番と2番の歌いだしで男女逆になるところなんか、デュエットっぽくていいんだよなぁ。
しかし、サビに入ると純粋なハモりではなくてオクターブ違いで歌うというシンプルな方法が取られている。
「デュエットといえばハーモニー」と考えてしまうものだが、これもこれで悪くないし、かえって歌いやすいので、一緒に歌ってみたくなる曲だと思う。
Awesome City Clubやフレンズなど男女の混声グループの流れが昨今きているので、この曲もその流れに乗って、デュエットソングとして、いろんな人に歌われて流行ってほしい1曲。
④Night Rider feat.荒井岳史(the band apart)/YONA YONA WEEKENDERS
以前(6月かな?)にも紹介させてもらったYONA YONA WEEKENDERSのメジャー3rdシングルは、彼らが元来ファンであるthe band apartのギターボーカル荒井岳史さんとのコラボ楽曲となった。
彼らの旨味ともいえる、「夜っぽさ」、「チル感」をここぞとばかりに味わえるのは勿論だが、ゲストである荒井さんの声が予想以上にハマっていて、その良さを増幅させている。特に荒井さんの低音の歌声が落ち着くので、チル感の割り増し具合が天井知らずだ。
もともとthe band apartも同じようにオシャレな感覚を持ったバンドで、今思えば親和性は高かったのかもしれない。バンアパにも夜の曲が多いし。
この組み合わせが実現するのはある種、時間の問題だったのだ、きっと。
(ちなみに、バンアパのこの曲は「Night Walker」だが、今回紹介しているYYWの曲は「Night Rider」…意識してないわけないよな、よな)
彼らの曲が持つ浮遊感は聴いていて本当に心地いい。
クリーントーンで緩いリズムを刻むギターはほどよく休符もあり、それほど主張した演奏ではないのにとても印象的。
しかし、その代わりなのかギターソロはしっかりギターの見せ場と言わんばかりで、ラストのサビへ向かう気持ちを昂らせてくれる。このギターソロも心地いい。
いやしかし、タイトルやバンド名に引っ張られているわけでもなく、本当に夜に聴きたくなる曲。
これを聴きながらだと、どこまでも無限に進んでいけそうな錯覚をしてしまう。バイクの免許を持っていないので、夜に車を運転しながら聴きたい。「Night Driver」になってしまうが。
自分たちのバンドコンセプトである「ツマミになるグッドミュージック」を見事に地で体現していると感じる。
お酒を飲みながら
夜のドライブ
ウォーキング
寝る前
いろんな夜の場面にピッタリの曲ではないだろうか。
メジャー1stアルバムが11月3日に出るそうだ。夜が長くなる秋にピッタリで、それも今から楽しみで仕方ない。この曲を聴いて楽しみに拍車をかけたいと思う。
⑤LITMUS/緑黄色社会
もう手がつけられないほどの勢いで邁進している、リョクシャカだが、この「LITMUS」を収録したシングルを8/25にリリースした。
「LITMUS」がドラマ、そしてカップリング2曲も、それぞれ映画とCMのタイアップになっている辺りが今の緑黄色社会の勢いを示していると思う。世間に聞かれる機会が増えるのはやっぱり強い。
その中の表題曲「LITMUS」はのっけから切なさ満載の曲。
秋に近づいてきているからなのか、こういった質感の曲が個人的に今染みる。ピアノがいい味を醸し出している。
終始切ないマイナー調で展開されているのだが、最後の最後は明るいコードで終わる部分がいい。心地いい引っ掛かりで思わず耳を奪われる。好きなポイントの1つである。
MVはシンプルに演奏シーンのみ。長屋さんの歌っている姿だけでもう既に画になるし、他のメンバーの演奏ぶりもかっこいいので、シンプルな構成ながら観ていられる。
リョクシャカはメンバー全員が作曲出来るので、様々な色の曲が聴けて良い。出る曲出る曲、系統が違って常に新鮮に聴ける。
「Mela!」のようにテンション高めの曲からこういったしっとりした曲まで、どんな曲もすんなり聴かせてしまうのは技術と魅力があるからなのだろう。
気が早いが、次の曲も楽しみで仕方ない。作曲者が多いバンドは出す曲が多彩で楽しいと改めて思う。
最後に
という事で前半5曲を紹介した。
あたらよ、YYW、リョクシャカ辺りが最初に挙げた夏の終わり・秋を感じる曲にあたるだろうか。
アッパーな曲よりも緩めのテンポの曲が多くなった。緩いのが多い分、テンション高い曲はDA PUMPに一任してもらうとして…。(笑)
後半5曲は何を選ぼうか。(まだこの記事を挙げる時は選びきれていない)次の記事をお楽しみに。