はじめに
前回のpart.1に続いて5曲の紹介。期せずして後半5曲は前半よりもアッパーよりな曲が多めになっている。それではスタート!
⑥アダムとイヴ/
go!go!vanillas
アルバム『PANDORA』が3月24日に発売されたバニラズ。発売前に何曲か先行配信されていたが、3月に発表されたのがこれ。
アルバムのスタートを飾る曲なのだが、派手なオープニングを演出してくれるスケールの大きい曲。デカい会場で歌ったら、余計に映えるだろう。
更に、バンドとしての色気もこんなにあったのかと思わせる今までになかったサウンド。これはMVの演技に引っ張られているわけではないと信じている。(しかし、ボーカルの牧さんのMV内の演技もいい感じである。エロい。)
この曲だけでなく、今までのバニラズのイメージを壊す曲が多数収録されている今回の『PANDORA』はアルバムそのものが良かったのでこの曲を入口にして(実際1曲目だし)、聴いてみていただきたい。
⑦クレイジーダンス
/Mr.FanTastiC
タイトルから絶対ノリノリのやつ!と思い、再生ボタンを押したら、ご丁寧にタイトルまで唱和してくれてテンションが上がるイントロまで提供してくれて。
開始15秒で紹介決定!(笑)
こういう分かりやすく速いロックは最近聴いてなかったので、飢えていたのかもしれない。
そうは言いつつ、速いだけでは終わらない。
メロではテンポを落としつつ、歌い方もファルセットを使うなど荒々しさとは縁遠いくらい。
これをサビの直前のBメロでやるのがポイント!サビの疾走感を存分に活かす助走のような働きをしている。実は計算高い楽曲だと密かに思う。
最近ちょこちょこ名前を聞くなぁと思っていたMr.FanTastiC。聞くところによると、
2018年結成
2019年メジャーデビュー
エリート!
元々違うバンドを組んでいたり、ボーカロイドを用いて音楽活動をしていたりと音楽的素養があったにせよだ。
それでメジャーデビューがすぐ出来るわけでもないので、耳を引く楽曲作りに非常に長けているのだなと思う。
欠点はグループ名の打ちづらさくらいか。
この曲で気になって、他の曲も掘り進めているところ。自分好みのバンドがまた出てきた。
⑧Evolve Forward in Hazard/Fear,and Loathing in Las Vegas
今や呼び名は「なんちゃらラスベガス」で定着しつつある(してしまった)ラスベガスだが、やっている音楽は一貫している。
エフェクトをかけまくったボーカル
シャウト
ファミコンのような8bitの音
流麗なピアノのメロディ
…このような特徴がラスベガスっぽさだと思っていて、今回の曲もそんなラスベガスの特徴を余すことなく満腹に堪能できる。
ここまでいろいろ詰め込むと、ごちゃごちゃしてもたないものだが、ラスベガスは聴けてしまう。3分半と時間も短めでその辺の配分も見事。
いろいろ旨いものをのせた丼も量が多いとそのうち飽きてしまう。それと似ている。
旨いものを適切な量(しかもギリギリ)で提供できる職人技のようなものを感じる1曲だった。
⑨約束/フレンズ
先月の良かった曲で紹介した神山羊さんの「色香水」と同じくこの曲もアニメ『ホリミヤ』のタイアップとのこと。知らずに選んでいた。
フレンズは正直、今までハマる機会が無かったというのが本音だが、これはいい。
ボーカルのおかもとえみさんの歌声は「いい声」だ。ここで指す「いい声」は嫌われない声ともいえる。歌い上げる系だが、嫌味がない。(うまいけど、鼻につく歌い方ってぶっちゃけあるし)
もともとベーシストだったとは信じかたい。
「夜を歩くのにおしゃれな音楽」のイメージがフレンズにはあったが、おしゃれさよりももっと内側の部分に重きが今回は置かれているような気がした。感情とか心とかその類。
歪んだギターのフレーズがそう感じさせるのかも。
おしゃれな音とはおおよそ言えないかもしれないが、かえってそれが心に沁みる。
「泣きのギター」という言葉があるが、ギターが泣いているようにも聞こえる。ギターにもらい泣きしそうなほど。
曲も自体も勿論良いのだが、ギターのフレーズが特にお気に入りだったので選んでみた。
⑩紫の夜を越えて/スピッツ
デビュー30周年を迎えたスピッツの9ヶ月ぶりのシングル。
歌いはじめの第一声でスピッツだと分かる歌声はもはや国宝級ですらある。誰もが聴いて分かる歌声ほどの武器はない。
そして歌声もさることながら、歌詞もスピッツをスピッツたらしめている要因のひとつである。
一読しただけではまずわからない。何度も何度も読んで聴いてやっとこういう意味か?と推測できる。言葉を選ばずに言うと
「何言ってるか分かんない」
分かりやすさが求められる今において異質ではあるが、異質なものこそオリジナリティの塊という事にもなる。
今回の曲も深い。まだ「何言ってるか分かんない」感はまだ薄いが、それでも難解だ。
何よりタイトルにもある「紫の夜」が特に難しい。そして故に頭に残る。
夜を表す色の相場はやはり黒。黒ではない夜で紫色。
黒から紫への色の変遷を考えると、近いうちに明ける夜の色、といったところだろうか。
「明けない夜はない」というのがテーマだろうと推測できるが、ありきたりな言葉を使わずあえて遠回しに表現するのがスピッツっぽい。
どちらか良いということはないが、スピッツは婉曲表現を楽しむために聴くところも大きいので、今回の作品もそういったのを楽しむのにも良いと思う。スピッツの魅力を時間をかけて味わえる作品。
最後に
3月の良かった曲10曲は以下の通り。
①Roar/KAT-TUN
②スーパーガール/あいみょん
③風になって/[Alexandros]
④たとえたとえ/緑黄色社会
⑤君をもっと知りたくない/三月のパンタシア
⑥アダムとイヴ/go!go!vanillas
⑦クレイジーダンス/Mr.FanTastiC
⑧Evolve Forward in Hazard/Fear,and Loathing in Las Vegas
⑨約束/フレンズ
⑩紫の夜を越えて/スピッツ
客観視してみると、比較的おとなしめの曲を選んでいるなという印象。その中でもラスベガスとMr.FanTastiCの楽曲のいい意味での浮き具合といったらない(笑)
やっぱりうるさい速いロックもいいんだよなぁ。
寒い季節が終わるとハイテンポな歌も多くなるという個人的な見解もあるので、4月以降ももっとうるさいやつが聴きたいものだ。
そして例のごとくSpotifyで今回選んだ10曲をプレイリストにまとめた。
もし良かったら聴いてみてくれたら、こんなありがたい事はない。
それでは、また4月の曲のまとめもお楽しみに。出来ればその前に月のまとめ記事以外も書きたいところではあるが(笑)