最初に
5月は11曲選んだ。ここ最近20曲近く選ぶことも少なくなった。聴いてないわけではないのだが、琴線に触れて何回も聴きたくなるかと問われるとそこまでに至らないことが最近多い。
1回聴いて「まぁまぁ」みたいな(笑)あくまで主観なので申し訳ないのだが。
そういった意味では何回も聴きたくなる曲を今回も選んだともいえる。この価値観はブレずにいきたいものだ。
それでは紹介に移ろう。
2023年5月の良かった曲
①Drip/-真天地開闢集団-ジグザグ
②奇縁ロマンス/ナナヲアカリ
③非釈迦様/703号室
④凡人様/紫 今(むらさきいま)
⑤うそつき/緑黄色社会
アルバム「pink blue」が5月にリリースされたが、アルバムリリース直前に配信されていた「うそつき」。
「Mela!」や「キャラクター」に代表されるアップテンポの楽曲のイメージが強い緑黄色社会だが、「うそつき」みたいに行き場のないかなしさを表現した曲も好きなんだよなぁ。過去作だと「LITMUS」が近いか。「陰」に舵を切った感じが似ている。
どこか懐かしくて切ない世界観がイントロから伝わってくる。ここまで切ない歌詞やメロディを見聞きしたら、イントロの果たす役割も重かっただろう。
そんな中で見事なイントロだったと思う。開始3秒ほどで「絶対個人的に好きなやつだ!」って思ったもんな(笑)好きなイントロ。
あとは歌詞も救いがないほどかなしくて良い。「何もそこまで…」とも感じたけど(笑)
「これでいいのでしょう」と別れを受け入れてはいる反面、最後の「私もうそつき」という言葉で、本心は真逆(=嘘)であることを遠回しに分からせるのがにくい。
古典落語のようなお後がよろしいキレイなオチもお気に入りだ。
今までの代表曲とベクトルは違えど、根底にあるポップスの王道感は損なわれることがない、これもまた緑黄色社会っぽさなのかもしれないと思った。切ないバラードでも王道を忘れないところがいいよな。
そしてアルバムに繋がっていくのだが…。
⑥ピンクブルー/緑黄色社会
続けて緑黄色社会の曲を紹介。こちらはさっきの「うそつき」も収録されているアルバム「pink blue」の1曲目である。スペルはカタカナとアルファベットで違いはあるが、MVもあるし、実質このアルバムのリードトラックと言っても差し支えない。
緑黄色社会っぽさもあった「うそつき」とは対称的で、今までの「らしさ」を大きく崩してきた楽曲。それをリードトラックにしてしまうのも攻めていて面白い!
紅白も出たし、人気に拍車がかかっても攻勢に出るところに反骨精神を勝手に感じる。音楽性やビジュアルの華やかさとは裏腹に結構パンクなのね(笑)そういうとこ大好き。
「っぽくなさ」をいの一番に感じたのはアレンジだなと。80年代くらいのレトロなデジタルサウンドがイントロから既に感じられる。YMOとかね。
YMO繋がりでこの曲のイントロも思い出した。
世代がバレる(笑)
編曲はインタビューによると、メンバーの穴見さんと川口圭太さんが携わっているとのこと。
https://natalie.mu/music/pp/ryokushaka08
はじめに穴見さんが手掛けて、それを更に川口さんがアレンジするという2段階の編曲だったようだ。それの効果か2度味付けをして濃いものになった気がする。原曲はどんな感じだったのだろうか。
歌詞もいつも前向きな優等生イメージのある緑黄色社会とは違って、どこか気だるそうな感じがかえって新鮮だ。あくびとかしなそうなイメージだったもんな(笑)
アルバム曲はどのアーティストに限らず実験的な曲が多いとは昔からよく言ったものだが、この「ピンクブルー」もアルバム曲ならではの変化を楽しめる曲になった。
しかも、イメージを崩したこの曲がアルバムの最初ゆえに、なんでもアリ状態になり、アルバムそのものに幅や深さをもたらす効果があったな。
緑黄色社会の新鮮な1面に驚いてみてはいかがだろうか?
⑦月の花/Daoko
⑧ひるねの国/childspot
⑨カメとピューマとフラミンゴ/KICK THE CAN CREW
⑩ときめきpart1/スピッツ
⑪青春を切り裂く波動/新しい学校のリーダーズ
今1番勢いのあるアーティスト、新しい学校のリーダーズ。先月リリースのアルバム「一時帰国」に収録されていたこの曲にハマって何度も聴いていた。
MVやコレオグラフィービデオが5月に公開されたので、めちゃくちゃかっこいいなと思って何度も観ている。厳密に言えば曲自体の発表は4月だが気付いたのは5月なので、5月の良かった曲のエントリーご容赦いただけると幸い(笑)
ブレイクのキッカケになった「オトナブルー」の昭和歌謡感、最近よくテレビで歌っている「Suki Lie」の狂気じみた空気も個性がはみ出していてで良かったのだが、そのクセの強さが自分にはどうも合わず少し聴いてスルーしていた。
ただ、「青春を切り裂く波動」は先の2曲と比べると割とオーソドックスなロックナンバー。クセもそれほどなく聴きやすかったのが個人的に奏功したのかもしれない。
作詞作曲はBiSHをはじめとするWACKの数多くの楽曲を担ってきた松隈ケンタさん。分かりやすくて、滾るロックな曲を数多く生み出してきた松隈さんの曲ならと後からクレジットを見て納得した。今までも松隈さんの曲で好きなのも多かったので。
今の新しい学校のリーダーズの勢いを象徴するようなエネルギーと無敵感が曲からほとばしっているのがいい。
しかし、Bメロで入るKANONさんの歌声がアクセントになって、ただ突っ走る直情的なロックで終わらせないのが面白い。
リードボーカルのSUZUKAさんの声との対比も良くて、直後のサビの解放感にも繋がっている。
パフォーマンス込みの映像で観ても良かったが、音源としても聴き応えのある素晴らしい楽曲だったなという印象。合う合わないの曲はあるにせよ、これからもチェックしていこうと思う。
最後に
ということで11曲選んだうちの3曲分の感想を書かせてもらった。紹介した曲は3曲だが、アーティストでいうと緑黄色社会と新しい学校のリーダーズの2組になった。
そして、アルバム曲から選んだのも多かったのも特徴的かな。アルバムに先立って配信された曲が気になり、そのままの流れでアルバムを聴く流れが5月は多かったなぁ。緑黄色社会にしかり、スピッツにしかり。こういう聴き方もいいなと思えたので、時間が許せばこの聴き方をやっていきたい。
また次の記事で!