最初に
秋のプレイリストをこの間紹介したが、いささか遅かったもので今回はその反省を活かし(?)、すぐ冬のプレイリスト作りに取りかかった。
冬の曲は本当に多い!パッと思いつくだけでも20曲以上は悠々超えてしまう。
そんな中で今回も他の季節同様、13曲という縛りを設けて、個人的に好きな冬の曲を集めたプレイリストを作った。
そして、その中から更に細かく紹介したい4曲をピックアップして語りたい!というそんな記事。
それではスタート!
プレイリスト
こちらがプレイリスト。思いついた曲は沢山あったが、そこからバランスを考えて13曲を厳選した。
クリスマスソングも入れたくてB’zを忍ばせてみたり、複数の有名な冬ソングがあるアーティストはあえて隠れた方を選んでみたり、欲張りであまのじゃくな自分の性格がうまく出せたなぁ(笑)
その中から特に紹介したい4曲をピックアップ!
Hallelujah in the snow/MOON CHILD
解散してから20年以上が経ち、知る人ぞ知るバンドといった方が適切かもしれないMOON CHILD。
「ESCAPE」を聴いたら少し分かる人は増えるのだろうか。
この曲の印象が強すぎて、他の曲が埋もれてしまった感じも否めない。
しかし、「ESCAPE」と同じ年にリリースされたこの冬の曲も負けず劣らず、今も自分の中で流れ続けている。
ボーカルで作詞作曲の佐々木さんが岩手出身なのだが、冬が厳しい場所の出身の人が書く曲は、冬の描写がリアルだと感じる。
この曲もそうで、歌詞で風景が浮かぶようた。特に寒さを表す描写がいい。
「凍えた指を暖めあう コートのポケットの中で」
「街を彩る冬の匂い 凍てつく風に襟を立てて」
聴いているだけで、寒い場所だというのが容易に想像できる。
寒そうな描写が多いからこそ、抱き合うとか胸にトーチを灯すとか暖かい言葉が浮き彫りになって、より強調されている。
寒いのに、どこか包み込むような暖かさを感じるので好き。
最後の「no more pain tonight」で合唱のようになるパートも、幸せなラストという感じがしてこれもまたいい。お芝居でいうハッピーエンド感がある。
寒くて厳しい冬だが、この曲で少しでも幸せな雰囲気を味わってもらえたら嬉しい。
氷の世界/井上陽水
このプレイリストだとかなり浮きまくっているほど異彩を放つ選曲だが、冬の寒さを容赦なく描いている。
そんなものだから、この曲が冬の歌としてどうしても思い浮かんでしまう。
1973年発売のアルバム(当時はレコードなので「LP」呼び)『氷の世界』に収録されているが、このアルバムは日本で初めてのミリオンセラーや100週以上ベスト10など、あり得ない記録を持っている。
そんなアルバムのタイトルトラックという事で、井上陽水さんの代表曲のひとつだ。
言い回しが独特すぎて、似たような歌詞が後世の今になっても見当たらないほど、陽水さんの世界観は唯一無二。
この曲でもその言葉遣いは健在で、婉曲的(すぎる)表現で寒さと孤独を掛け合わせている。
単純に寒さも感じられるワードも多いのだが、特に
「僕のテレビは寒さで画期的な色になり
とても醜いあの娘をグッと魅力的な娘にしてすぐ消えた」
という部分は、本当に画期的な表現だと思う。とても印象に強く残る言い回しでいまだに頭から離れない。
様々な比喩も含めた表現なので、多くの解釈があるかと思うが、
「あまりの寒さにテレビが壊れた」
というそのままの状況を、詩らしく表現するのにここまで見事なものはあるだろうか。
そして、テレビが壊れるほどの寒さを想像する。よほど寒いんだろうなと(笑)
冬の曲といえば、寒さを表現しつつも、その裏側にあるあたたかさを歌った楽曲が多い気がするが、この曲はそうではなくずっと寒い。
あたたかさを感じる表現は一切出てこない、冬の曲としても異端なものなのかもしれない。
だからこそ、その異端っぷりがこのプレイリストのスパイスになってくれそう。
なので、中盤辺りに毛色を変える意味も込めて入れてみた。他の曲と年代は違えど、いい役割を果たしていると思っている(笑)
あなたが待ってる/THE BACK HORN
バックホーンを知っている方なら、彼らの冬の曲は「冬のミルク」がいの一番に思い浮かぶと思う。
しかし、より歌に冬っぽさが強いのはこっちかなと思い、個人的に選ばせてもらった。
冬の寒さだからこそ気付ける人のあたたかさにフォーカスを当てているこの作品は、彼らの他の楽曲とは比べて、分かりやすいほどに丸く、穏やかな印象。
あの宇多田ヒカルさんもコーラスや作詞、プロデュースに関わっている。
歌いだしでもあり、サビでもあるフレーズ
「あなたが待ってると思うだけで もうそれだけであったかい」
がとてもシンプルかつ、だからこそとても普遍的な言葉だと感じる。
この「あなた」の対象は人それぞれだが、家族ができると尚更、この歌が沁みるようになった。私自身がそれを体感している。そして、家族を営んでいくうえで、その「あなた」が増えれば増えるほど更に沁みる。
時間が経てば経つほど、この曲の魅力がわかってきた。
Aメロのぶつかり合う描写のある歌詞も、家族でもよく起こる、楽しいだけではない不安で苦しい時間に似ている。
ただ、それだけではない時間があるから「あったかい」と思う瞬間がとても愛しく感じるのだと改めて思わせてくれる。
その他の歌詞も聴いていると、自然と自分の家族を思い浮かべてしまって仕方がない。
「白い息を吐きながらあなたの元へ帰るから」
ってくだりもいいよなぁ。
吐いた息の白さが分かる程の寒さと、急いで帰る様子が一度に思い浮かぶ、素敵な言い回し。
シチュエーションを限定するようで申し訳ないが、是非、冬の帰り道に聴いてもらいたい!
きっと、帰った先の誰かの顔や帰るべき場所であなたを待ってる人の顔が思い浮かぶはず。
はるまついぶき/Bank Band
この手の季節もののプレイリストを作る時は、どうしても時系列にしてしまいがちになる。
この曲を最後にしたのも春に近い冬をイメージするから。
自分が住む東北は3月くらいでも雪が降るし、まだまだ寒いし、まだまだ冬のイメージ。
しかし、そんな中でも白い風景はだんだんと少なくなり、植物が芽吹くのも見られる。
この微妙な感じをこの曲を聴くと思い出す。
それはやはりサビの歌詞の印象の強さに尽きる。
「降り積もる雪に覆われた春待つ息吹のように かすかでも光に向かう強さを抱きしめたい」
辛くても前に進んでいくさまを、春を待望している冬にたとえる比喩である。
状況としては凍えそうなほどの真冬をイメージするが、あとから付いてくる「春待つ息吹」という言葉に引っ張られて、あたたかさもイメージされる。
あとは自分が東北民なのもあるのか、あの震災の時期とも重ねてしまう。あの日も3月なのに雪が降っていたし。
それ故に、この曲に3月のイメージを重ねるのかもしれない。
曲自体は決して明るい曲ではないが、最後の畳み掛けるような盛り上がりは聴いていて圧倒される。
そして、ラストを飾るにふさわしいのではないかと思い、プレイリストの最後に置いた。更に次の春にも繋がりそうで、きれいに締まる気がする。
音源だとミスチルの桜井和寿さんが歌っているが、SalyuさんやMISIAさんが歌っているバージョンもあって、それもまたいい。キーが変わってまた違った風景が見える。
プレイリストを決めるにあたって改めてきいてみたが、色褪せない名曲だと再認識させられた。
最後に
といったわけで、個人的な冬のプレイリストとその中から紹介したい曲を見てもらった。
「冬の曲」と一概に言っても、様々な温度感の曲がある事が比べてみると分かった。「氷の世界」なんて名前の通りキンキンだもの(笑)
皆さんにとっても冬を彩る音楽達があると思うので、自分なりの冬ベストを作って、楽しんでみるのもいかがだろうか?
それではまた次回の記事で!
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