音楽

ヌマッチノオト的2023年間ランキングTOP50(20位→11位)

最初に

いよいよTOP20となったが、紅白歌合戦出場者の楽曲など、2023年を象徴する楽曲もちらほら登場してくる。

しかし、その合間にある隠れた名曲も触れてもらえると嬉しい!それではどうぞ。

ヌマッチノオト的2023年間ランキングTOP50(20位→11位)

20位:ピンクブルー/緑黄色社会

「Mela!」や「キャラクター」など明るい楽曲が代表曲になっているのもあり、そのイメージが固定化されている部分もリョクシャカにはあった気がする。

その凝り固まったお決まりを粉々にする役割が「ピンクブルー」だった。実際、ピンクブルー後も幅のある楽曲をシングルとして発表しているし。

そう考えると「ピンクブルー」が2023年のリョクシャカのターニングポイントだったのかもしれない。

どこか気だるそうな湿気た世界観の歌詞も、80年代のテクノっぽいアレンジも、どちらも今までのリョクシャカからは想像しにくいもので、「こんな曲も作れるの?」と驚いたのがついこないだのよう。

特に歌詞は分かりやすい。

リョクシャカの今までの歌詞は品行方正で快活なイメージだったが、「ピンクブルー」はまぁ真逆。今までのリョクシャカならあくびなんかしなかったし、ニュースキャスターに「ドンマイ」と皮肉めいたエールを送ることもしなかったはずだ(笑)

それがかえって人間味があって好きだったな。今までのリョクシャカからしたら尖ってたし、実験的で面白い曲だったよね。
 

19位:01/女王蜂

ドラムのルリちゃんを見送った後の初のシングル。

アニメのタイアップアリきの書き下ろしだったらしいが、これからの女王蜂の決意表明にも聞こえるのはこちらの勝手なこじつけだろうか。

アニメにも不死の存在が登場しているとのことだが、女王蜂目線でいえは、メンバーが変わってもバンドは死なせない、続けていくぞという思いに感じられた。やはり都合が良すぎるかもしれない(笑)

しかし、強い思いが歌詞や鬼気迫るギターソロをはじめとする演奏にも溢れ出ていて、無理矢理にでも前に足を運ばんとする執念を感じた。

「01」はゼロからイチへ進む意味も込められているのかもな。そして、「01」と表記すると、「00」があるように思えるし、より1つ進むことの重要性が表れていていい。

これはただ「1」と表記するのとは全然違う。普通は「1」だけを見て即座に「0」の存在に思いが及ばないから。

こういったところにも勝手に深さを感じられて、うまいなと感心してしまう。

メンバーが抜けるのはバンドにとってマイナスになることが多いが、女王蜂はこれを1歩を踏み出すためのパワーにしてしまうんだろうな。

もう1歩どころじゃなく、日本の音楽界を駆けてほしい。女王蜂の1ファンとしてついていきますよ。

18位:奇縁ロマンス/ナナヲアカリ

和風でどことなく祭囃子を思わせるサウンドが印象に残るナナヲアカリさんの「奇縁ロマンス」。アニメ『江戸前エルフ』のタイアップでファンにも好評だった模様。

「つながり」をテーマにした曲で、運命や未来は分からない中でも、今つながっている「君」や「希望」、「あるがままの世界」を大切にしていきたいという思いが伝わる多幸感に満ちた曲になっていた。

この、そこはかとなく漂う多幸感がたまらなく好きで、そこが気に入って、とにかくよく聴いたなぁ。ナナヲアカリさんの特徴的な歌声ももともと好きなのもあったけどね。

アニメを観る時間すら取れないけど、曲が気に入るとアニメも気になっちゃうのよねぇ。普通逆なんだろうけど(笑)

17位:青のすみか/キタニタツヤ

人気アニメ『呪術廻戦』のオープニングを飾り、今年の夏を象徴するような1曲となった「青のすみか」。

この曲の良かったところを端的に言うなら「喪失感の表現」だろうか。

夏らしい爽やかさを感じる一方で、過ぎ去った時間を思う儚さが絶妙にマッチして、得も言われぬ感傷さを味わえた楽曲だった。

タイトルの「青」は青春を表しているとキタニさん本人が言っていたが、個人的には「故人がいる場所(空)」の「青」にも受け取れた。

こちら側の勝手な解釈だが、故人を偲ぶ曲にも感じられて、そこにも心を揺さぶられたんだよな。サビの終わりの歌詞とか特にそう聴こえて。

「喉の奥につかえる言葉」や「声にならない声」は泣いていて言葉にならない状況なのかなとか想像したりしながら聴くのも楽しくて、さまざまなことを考えて聴くのが楽しかったなぁ。

キタニさんは2022年の年間でも「プラネテス」が上位に入ったが、2023年でもしっかり上にいる。安心安定のキタニブランドに2024年も期待せずにはいられない。

16位:B級/ちゃんみな

ちゃんみなは2023年にようやっと魅力が理解できたアーティストだったな。横アリとか埋めるほどの大物なのに。すいません(笑)

普段聴くジャンルではないが、聴くと面白い個性的な曲が多いなって思い、ハマっていった。

「B級」はテレビで観て面白い曲だなと感じたのが最初の印象だったね。パフォーマンスが楽しいし、顔文字をモチーフにした振付も好きだった。

歌詞も「B級」の意味が徐々に分かってくる感じがいい。類は友を呼ぶではないが、結局はみんなB級じゃね?ってオチが落語のような美しさすら感じる。

サビの「B級」のリフレインも頭にこびりついて仕方がない。そして気づいたら口ずさんでいる、こわいこわい。さらに気づいたらまた聴いてたしね。こわいこわいこわい。

中毒性はB飛んで、A飛んで、S級だね。

 

15位:Summer Ghost/I Don’t Like Mondays.

7月の良かった曲に選んだアイドラ。

終わった恋を引きずる様子を幽霊に喩えた歌詞が切ないナンバーだった。

モチーフである幽霊がとても意味深な役割を果たしていて好きなんだよな。

過去の恋愛に囚われる様子は現世を彷徨う幽霊のようでもあるし、歌詞に出てくる「眠れぬ(=成仏できない)」「I can’t breathe(=息をしていない存在)」も幽霊を象徴する言葉に思える。

1つのモチーフで、「過去の恋に囚われるしみったれた人間」を表現したのが見事だったなぁ。

曲も切なさを割増にさせるアレンジで良かったけど、やはり歌詞の印象が強い楽曲だ。ナイスリリック賞なるものがあったら2023年の候補かもしれない。

14位:恋巡り/神山羊

10月選出の神山羊さんの「恋巡り」。

どこか懐かしい香りのするアレンジ、終わった恋を思い出させる切ない歌詞…。まずそこが自分の嗜好のど真ん中ストライクをついてきた。

そして、ただゆるいバラードに終始せず、動き回るベースライン、オシャレなギターソロなど、バンドを感じるサウンドが聴けるのも面白さを感じるポイントだったな。

メロディがそもそも良いので、少し冒険したアレンジにしても映えるんだろう。普通だったらここまでベースをぶりぶりにしなくても良さそうなものだけどね。

切なさとゴリついた音の一見相反する要素のマリアージュを感じられた曲だったな。聴けば聴くほど面白さや発見がある曲だったように思う。

13位:ダム底の春(feat.Sobs’)/日食なつこ

春にリリースしたアルバムの収録曲で、後にスタジオでの様子を収めた映像も公開されている。(実質MVと認識している)

Sobs’のアレンジはまさに春を思わせるようにキラキラと眩しくて、明るい曲になるのだろうと予感したが、早々にその予想は違ったといい意味での裏切りをいただくことになった。

平たく内容を説明するなら、「渡したかったが、渡せなかった花束をダムにぶん投げる」といったところか。

独創的な世界ながらも、妙に情景が浮かぶのは描写が細かいおかげ。さながら小説を読んでいるように聴くことがてきた。そしてダムに沈んでいく花束が想像できてどことなく切ない気持ちになる。

明るい曲調に切ない歌詞のアンバランスさが感傷を引き出させる。もはやJ-POPの鉄則ですらある。そして、個人的にこういった曲が好きなのも変わらない。

オリジナリティ溢れる楽曲をこれからも変わらずに生み出してほしいな、日食なつこさんには。

12位:セブンティーン/YOASOBI


YOASOBIの2023年といえば、「アイドル」が良かったのは言わずもがなだが、その前に出た「セブンティーン」も今までのYOASOBIっぽさをいい意味で裏切った曲になっていたと思う。

そもそもイントロからのテンションが今までと違っていたような。俗っぽいが、陽キャでパリピなYOASOBIを音から感じて、「こんなこともやるんだ!」と新鮮だった。

今までもアップテンポな曲はあったにはあったが、ここまで盛り上がりや踊らせるのに舵を切ったのは「セブンティーン」が初めてなのではないだろうか。そのくらい大きな変化だったように思う。

口ずさみたくなるうえ、オイコールを叫びたくなるノリノリなイントロは実際にライブ映えしていて良かったし、Bメロのサンバホイッスルも好きだったな。「やり過ぎ!」って少し笑ってしまうほどだったけど、ここまで振り切ったアレンジがかえって印象が強くなる。

頭を空っぽにして楽しくなれる曲だったので何度も聴いていた。いつかライブやフェスでこの曲が聴きたいなぁ。絶対楽しいもん。

11位:Eve,Psyche & Bluebeard’s wife/LE SSERAFIM

アルバムの収録曲の1つという位置づけだったが、クールな曲調と振付で瞬く間に話題曲となった。個人的にはアルバム表題曲より有名になったのではないかと思っている。

ルセラはもともとかっこいい方向性のイメージだったので、そのグループのイメージと曲がバッチリハマったなという印象。

ベースで弾いてみたくなるようなインパクト大の低音のリフはこの曲の象徴のようなものになっており、サビも同じようなメロディになっている。

1つのリフで押し切らんとする潔さがとても気に入った。それくらいパンチのあるフレーズだもんねぇ。

そして、クールな曲調の中にも「Boom Boom Boom Boom」とめちゃくちゃ覚えやすいフレーズもあって、聴きやすさに一役買っている。

曲調か曲調だけに「かっこいいけど、取っつきにくい」になっていた可能性もあったから、何気ないがこういったとっつきやすさって大事なんだよな。

LE SSERAFIMも今年本格的にハマりだしたグループの1つだった。さまざまな曲調が聴けて飽きずに楽しめる。来年も楽しみにしている。

最後に

ということで、11位まできました!

残すはTOP10。ここまでくると本当に僅差による順位決めだった。ギリギリまで1位すら悩んでいたもんな。

それでは次回TOP10紹介!お楽しみに。